下剋上エクスタシー@北海道厚生年金会館(6/5)
あきとさんのライブレポート
会場の北海道厚生年金会館はそんなにおうちから遠くはなかったのですが・・・・・・・・・・・
何時も利用する地下鉄を使って向かうこととなりました。
地下鉄11丁目駅で降り、大通り公園を大きく横切ると会場がすぐ目に入って来る。
会場までの道路に数人かの恐ろしいダフ屋が構えていて、「チケット無い?」だの「高く買うよ」だのと、
通行の妨げになるどころか人に恐怖を与える言語をブチかまして居たので大変見くびりました。
果たしてこのまま本当に会場に入れるのか否か!?
「ハラハラドキドキ、スリル万点。世界一スーパーウルトラメガミックス 大人200円」的な要素が会場付近には漂っていました。
↑なんじゃそりゃ!!!!
会場には一時間前にも関わらず結構の人が散乱していて、
ナースコスの人やなんちゃってお医者さん、かっくいい格好の兄ちゃんや小学生のガキんちょからお年寄りの方まで
一種のカオス状態で御座居ました。
一言、言っておくと、『可愛いコスプレは許せるけどデブコスは御免』ということです。
なんちゃってグッズ屋も堂々と立ち構えており、
販売していたポスターは「勝訴」、「本能」のジャケ写から、過去のロッキングオン誌に掲載されたものが何枚もありました。
たまたまポスターが目に付いただけで、他のグッズには見る気すらありませんでした。
売れるからって商売にする気持ちはわからなくもないけどさあ、
買う人が居んだからなくなる筈も無いよね。
本当に椎名林檎が好きなら、絶対に買わんといて欲しい。
会場外は肌寒く、北海道に住んでいながら流石北海道と思ふ。
入り口に列があるのを発見。
下剋上グッズの先行販売をしていたようです。
係員の「椎名林檎、下剋上エクスタシーオフィシャルグッズ先行販売はこちらです」の声。
拡声器で話しているのでこのまま歌い出しそうな雰囲気。(笑)
残念ながら全員は買えなかったらしく、「ここで終了です」の声が何とも悲しく夕暮れの札幌に響き渡っているのでした。
急に人がドバっと列をつくり並び始めたので慌てて自分も列に加わる。
遂に開場。
どやどやと人が雪崩れ込んで行くのについて行くのがやっとでした。
チケットをもぎ取られ紙類を貰い、軽く持ち物検査を受けました。
貰った広告類を書いておきますと、
・下剋上エクスタシーオフィシャルグッズ広告とその通信販売用紙
・ぎょう虫検査用セロハンテープとその説明&注意書き
・椎名林檎実演ツアー下剋上エクスタシー予診表
・追加公演『座禅エクスタシー』のいかした広告
・風雲ディストーションの入会案内書
・オフィシャルフォトスコア「椎名林檎/勝訴ストリップ」広告(リットーミュージック)
・「性的ヒーリング〜其の弐〜」と「少女ロボット」共同広告
でした。
やはり全公演のケツから二番目ということで途中から加わった広告も全て手に入りました。
“ぎょう虫検査”はもう言わずと知れた今回の下剋上ギャグ。
予診表も結構面白いことが書いてあり、センス良しです。
早いうちにグッズを買っておこうと思い、走って売り場の二階へ。
既に人が入り乱れていて、こんな会話が耳に入って来ました。
係「シンナーズTシャツあと一枚!欲しい人居る〜?」
A「はい!はいはい!!」
係「これで最後の一枚ね。もうないよ」
B「え゛〜もうないの?通販とかもやんないの?」
係「通販もやんないね」
とのこと。
自分は、"やたら高いパンフ"と"Tシャツの黒"と"バッヂ"、"ステッカァ"をゲット。
後で気がついたのだけれども、ステッカァの大きい方は裏シールを剥がした面が表になっていて、
普通に見ると中途半端なピンクで然も文字が反転…という訳の解らないシィルになっています。
ガラス等に貼ると良いのでしょうか。
買ったTシャツに早速着がえ。
ラメラメがギラギラで漢字一文字「憤」。
どーよ?ひどくカッくイイじゃないの、奥さん。
一階に降りて会場の重たいドアーを開けると、もうそこは既に異空間。
何と言えば良いか、薄暗く霧が立ちこめているのです。
ステージには幕が掛かっていて軽く青紫の照明。
席の方はというと八列目中央部をキィプです。
会場ではブランキーや少女ロボットが流れてました。
他の曲は聞き取れず…。
各地でも話題の爆笑アナウンスが入る。
「ステージに白い恋人を投げないで下さい」や
「寒いときには、ラーメンください」などの地元盛り上がりネタから、おなじみの「顔面シャワー…いや、スペースシャワーTV云々」まで。
“木彫り熊”がどうこう言っていたがまたも聞き取れず。
何かの罰ゲームだったらしいです。
そして18時40分頃、下剋上@北海道の幕が開けました。
照明が暗くなる。ざわめき。興奮。オーディエンスの歓声。期待は極限まで達してっ…
「好きぃ〜な人や物が多すぎて 見はぁ〜なされてしまいそうだぁ〜」
黄緑色のライトで煌々と照らされた林檎のシルエットが浮かび上がり、幕が静かに切り開く。
今まで全身全霊を打ち込み 青春と頭脳と思考と体力を注ぎ込み、
待ちに待ち侘びていた『下剋上エクスタシー』の火蓋が切って降ろされた。
「月に負け犬」からエクスタシースタァト。
姫のあの儚げで切なそうな振り絞るような声が体に染み渡ります。
ステージはもう既に雑誌などで見られている手術室のようなつくり。
上には丸い大きなライトが五つ、左手には馬鹿デカい人体模型、後ろには心電図モニター。
途中からバックの壁が回り、『血管の木』とも呼ぶべき大きな絵が浮かび上がります。
姫を中央に右が師匠亀ちんベース、左に格好良いギタァ。
右奥にはシンセ、左奥にはドラムと、奥の二人はベッドのような台の上に上がってました。
姫の衣装は包帯ぐるぐる巻きで髪をバッサリ。
虐待グリコゲンのメンバーも白衣に包まれ、
途中何度も登場した看護婦はパイプイスに上がりバシャバシャ写真を取っていました。
林檎姫もその都度ポォズをとってみたり。
「弁解ドビュッシー」、「君ノ瞳ニ恋シテル」で徐々に盛り上がりを見せて行き、
「本能」で一気に弾け飛ぶ。
やはり本能での客の気迫が違った様だ。
一気に四曲披露した後にMC。
「どうも、椎名林檎です。北海道は蝦夷ロック以来なので、こういうちゃんとした場所で演るのは初めてですね。」
何を言おうか戸惑っていた様だが逆にそれが可愛らしくてもう駄目だぁ悩殺もんでしょう。
そして次の「Love Is Blind」へ。
途中からセットリストに加わったカヴァー曲。
そこで思いもよらぬ曲が。
「正しい街」。
地元福岡でしか演らない曲だとは思っていつつも、やはり“一、札幌市民”としてはこの街が認められたようでたまらなく幸せでした。(勘違い)
次の「積み木遊び」ではしっかり“しくじった音頭”を振りフリ。姫と一緒に踊れて最高っ。
フリが増えていて、「三段突き」と「腰にて手を当てクルクル」と「ちょっくらヒゲダンス」が見られました。
「あおぞら(悦楽編)」でCDとは違うロックなイメェヂを持たせつつ「ギブス」へ。
ここで二度目のMCが入る。
「ラーメン食べた〜?」との声に(偶然隣だったすうぱあ氏)林檎が返答。
昔の営業所があったところで味噌ラァメンを食したらしいです。
「何処のラーメン屋〜?」と聞かれるが店名を思い出せず困っている表情がきゃわええのう。
「EMIの人に連れて行ってもらって、ホタテとかカニとか入った豪華なやつを食べさせていただきました」とのこと。
結婚の話題になると、姫は結婚願望が強いらしいことを語っておられました。
中にいた“ラァメン屋の観客”が「ラァメン屋はどー?」と訊くと「ラァメン屋はちょっと…」と言い、会場を沸かせました。
「好みのタイプは〜?」の質問が飛ぶと「甲斐性のある人」と答えていました。
ほうほう。これは参考になるぞ。
プロフィールに『好きなタイプ:甲斐性のある人』を加えるべきでしょうね。
「それってベンジー?」と突っ込まれると、
「だってベンジーもう結婚しとうやん…」と悲しげな表情を見せ、これがまたキュウト。
ちょっと長めのMCの最後に新曲二曲の説明を入れる。
本編に戻り、新曲披露一曲目「ギャンブル」へ。
「帰る場所は何処に在りましょう」や「愛すべき人は何処に居ましょう」という歌詞です。
二曲目の「やっつけ仕事」はうってかわってロックナンバー。
サビの旋律がたまらなく良いです。
こーれは東芝EMIに圧力かけまくるしかないでせう。
次いで「警告」。
この曲が今回のライヴでの一番曲でした。自分の中で。
「ここでキスして。」のイントロはやはり強烈。
続く「アイデンティティ」で会場は大盛り上がり。
一方林檎姫の方はツアーで溜まっている疲れでかなりしんどそうでした。
曲のアウトロごとに後ろに下がって行き、後ろを向いたまま水を飲んだりして
顔を見せてくれませんでした。
『無理しなくてもいいよ』って思ったのですがライヴの方はどんどん加熱して行きます
「幸福論」はシングル版のイントロから始まり、歌い出しそうなところでメンバー紹介。
『ベース、師匠亀ちゃん』『シンセ、皆ちん』まできて皆ちんから重要発言。
前日にすすきので五万円ボッタくられたそうです(笑)
『ドラム、村ちん』『ギター、弥吉君』ここで悦楽編へ。
拡声器片手にオーケストラピットの方に出てきて、
客の差し伸べる手に触れたりギリギリまで出て客を直視して歌ったりと右に左に暴れまくって凄かったっす。
「罪と罰」での林檎の声に堪らなくしびれる。
「歌舞伎町の女王」は一番好きな曲。ライヴで聴くと更に良かった。
「浴室」はCDとアレンジを変え、『スッキリサッパリ気分爽快』なイメージになってました。
照明が海面の波紋をつくり波打たせているのが綺麗で印象的。
「依存症」では問題部分の歌詞『ヒトラー』もしっかり聴き取ることが出来ました。
アウトロがはやめに終わると思っていたらCD通りめに演ってました。
「シドと白昼夢」はボサノヴァにアレンジされてました。
『あぁなぁたぁの〜』からはアレンジが元に戻り炸裂。
本編最後の「病床パブリック」はイントロの姫のギターが格好良かった。じゃ〜んっと。
あっけなく本編は終了。
虐待グリコゲンの面々はゾロゾロと退散。
アンコォルの手拍子が始まるが掛け声がバラバラ。
「もう一発」もあったし「林檎」や「アンコール」もありました。
3分〜5分位して戻ってきてくれました。
「アンコール有難う」の声で演奏が始まったのは「同じ夜」。
シンセのソロから始まります。
もうこの曲で感極まって泣いてしまいました。
イントロなしでいきなりメロディから始まった「丸の内サディスティック」。
巻き舌とCDとは異なった歌い方がよかったです。
最高の盛り上がりを見せ、エクスタシー終了。
後ろの心拍計が次第に遅くなってゆき、ピーーーッの音で止まりました。
深緑色の手術着を着た人が出てきてワゴンに花を乗せると花が照明に照らされて拍手と歓声が湧きあがる。
幕が閉じる。
―ありがとう
興奮と悲しみと憤りの入り混じった満足感でした。
もうどうするということもなく、タクシーに乗って即家路に着きました。
最後に。
もう一度姫の姿を御目に掛かりたいのと、
あの人体模型はいちいち下剋上トラックで運送されたのか、ということ。
「下剋上エクスタシー」
六月五日北海道厚生年金会館公演/セットリスト
月に負け犬
弁解ドビュッシー
君ノ瞳ニ恋シテル
本能
−MC1−
Love is Blind
正しい街
積木遊び
あおぞら(悦楽編)
ギブス
−MC2−
ギャンブル
やっつけ仕事
ここでキスして。
警告
アイデンティティ
幸福論(メンバー紹介〜悦楽編)
−MC3−
罪と罰
歌舞伎町の女王
浴室
依存症
シドと白昼夢
病床パブリック
−アンコール−
同じ夜
丸の内サディスティック
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